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更新日:2019.01.08 / 掲載日:2019.01.08

新型インサイトはHONDAセダンのベストバイか!?

3代目となったインサイトの情報を本誌でお届けしてきたが、ついに正式発表され’18年12月14日に発売となった。豊富なホンダ・セダンラインナップの中で、どのような立ち位置なのだろうか。
●文:山本シンヤ ●写真:奥隅圭之

icon 新型インサイト バリエーション&価格

インサイトはホンダセダン6兄弟の4男坊

  • レジェンド 707万4000円

  • クラリティPHEV 588万600円

  • アコード 385万~410万円

  • インサイト 326万1600~362万8800円

  • シビックセダン 265万320万円

  • グレイス 176万9040~260万1720円

エクステリア&パッケージ

  • ベースであるシビックセダンはエッジの効いたスポーティなデザインだが、インサイトは伸びやかさ・流麗さを感じられるスタイリングとなっている。

シビックをベースとした上級ミドルHVセダン

 ホンダは’30年に四輪車グローバル販売台数の2/3を電動化すると発表済み。すでに車種/カテゴリーに合わせ3タイプのハイブリッドを用意。この辺はTHS-II一本打法のトヨタと違い技術オリエンテッドなホンダらしい部分だ。

 そんな中、ホンダのハイブリッドをけん引してきたインサイトが4年ぶりに復活。振り返ると’99年に登場した初代は「燃費世界ナンバー1(当時)」、’09年に登場した2代目は「みんなのハイブリッド」を掲げていたが、新型の開発コンセプトは「クルマとしての本質的な魅力を追求」である。ハイブリッドが普及し、燃費や環境性能に優れるのは当たり前となった現在、クルマとしての伯エ点唐ノ戻ったということだ。

 インサイトはハイブリッド専用車という共通項を持つが、ネーミング以外は別モノとして各代が登場するのはなぜか? インサイトは「ホンダハイブリッドの挑戦」であり、その時代の秤ソ値唐ノ合わせて柔軟に変化しながら進化を行なうという考えのためだ。

 初代/2代目共に販売面では大成功とは言えないので若干苦しい言い訳に聞こえる部分もあるが、同じくハイブリッド専用車ながらキープコンセプトを貫くトヨタ・プリウスと異なるのは事実だ。

 そんな新型インサイトの立ち位置はシビックとアコードの間、上級ミドルセダンというポジション。ボディに関しては2代目の5ナンバーサイズの5ドアハッチバックから3ナンバーサイズのセダンボディへと刷新されている。

 プロポーションを見て分かるように、完全なオリジナルモデルではなくシビックセダンがベースだが、フロントフェイスとコンビランプを含めたリヤ周り、そしてアルミホイールなどが専用デザインとなる。スポーティでどこかアメリカンな香りが強いシビックに対して、インサイトは薄味ながらもエレガントさと質の良さをアピール。ちなみにインサイトを特徴づけているクロームメッキのフロントグリルは日本向け独自の仕様で「刀身」をイメージした物。リヤスポイラーも日本向け独自のアイテムだ。ボディカラーはルナ・シルバーメタリックがメインカラーで、シックな色を中心に計7色を用意している。

  • 日本専用となるクロームメッキのフロントグリルに、リヤスポイラー。タイヤサイズはLXが215/55R16で、EX以上が215/50R17となっている。

キャビン&ラゲッジ

助手席の前の大型ソフトパッドは、ミシン縫製と手張りの組み合わせ。左はEX ブラックスタイルで本革×ウルトラスエードシート。右下はEXのメーカーOP、本革シート。

先進性・プレステージ性をアピールするインテリア

 室内もエクステリア同様シビックがベースだが、リアルステッチソフトパッドやエレクトリックギアセレクター採用の専用センターコンソール、7インチ高精細フルカラー液晶とアナログメーターを組み合わせた大径2眼メーターなどの専用アイテムを採用。先進性やプレステージ性をアピール。

 ハイブリッドの要となるIPUは小型化により後席下に搭載可能となり、シビックと変わらない室内空間と広くフラットなトランクルーム、そして6:4分割可倒式リヤシートを実現。

 パワートレーンはホンダのスポーツハイブリッドシリーズの中で最も評価の高い2モーターの「i-MMD」を採用。普段エンジンは発電機として稼働し発電した電力でモーターを駆動させるシリーズハイブリッドだが、高速走行時ではエンジンでの直接走行も可能なシステムだ。’13年にアコードハイブリッドに搭載されて以来、進化/熟成を遂げているが、新型インサイトでは重希度元素を使わないネオジム磁石を使ったモーターやPCUの小型化、最大熱効率40.5%を誇る1.5Lアトキンソンサイクルエンジンとの組み合わせなど進化版を搭載。基本的なシステムは先に登場したクラリティPHEVと同じだが、バッテリーの搭載量だけでなく制御に関してもインサイト用に最適化。

 燃費はJC08モードで31.4~34.2km/L、WLTCモードで25.6~28.4km/Lと、数値だけを追いかけていない事が分かる。

 シャシー系はDセグメントも見据え、軽量・高剛性・低重心・低慣性をコンセプトに開発されたシビック譲りのグローバルプラットフォーム。基本性能の高さはシビックで証明済みだが、走りの味つけはインサイト独自に最適化。上級モデルらしいプレステージ性を高めるセットが施される。静粛性にもこだわっており、パワートレーン系ノイズやロードノイズ、振動の低減のために吸音材や遮音材をはじめとする様々なアイテムを採用。加速時エンジン回転数最適制御/登降坂時エンジン回転数制御なども行なわれている。もちろん安全に関しても抜かりはなく、衝突軽減ブレーキなど10の運転支援機能を備える「ホンダセンシング」を全車に標準装備している。

  • ハイブリッドのIPUを後席下にレイアウトし、大人がくつろげる後席空間を実現させた。

  • シートの手触り、質感は上級モデルに相応しいもの。

  • ホンダ上級モデルに採用される、シフトレバーのないギヤセレクターを採用。

  • 豊富ではないが、基本的なポケッテリアは用意している。

  • バッテリーなどのレイアウトの工夫でトランクルームもフラットなスペースとし、トランクスルーを実現させている。

  • 容量は519L。

メカニズム&装備

初代、2代目と同様に新型も全車がハイブリッド。IMAだったシステムはスポーツハイブリッドi-MMDに。2モーターのハイブリッドだ。

  • 日本で好まれる大型のカーナビモニターだが、インサイトは8インチを用意。

  • インターナビで全車標準装備だ。

  • ちなみにシビックは7インチ。

弟分シビックと、どっちが買い!?

新型の雰囲気は「大人・上質」 シビックとはキャラが違う

 価格は326万1600円(LX)から362万2880円(EX ブラックスタイル)。ベースモデルで比較するとシビックセダン+約50万円高の設定となる。ハイブリッドシステムや細部の上級化を考えると価格は想定内と言えるが、ユーザーは2代目インサイトとはコンセプトや立ち位置が違うクルマであることをシッカリ認識する必要がある。イメージ的にはシビックの上級モデルとして用意されていた「コンチェルト」や「ドマーニ」の後継だと思ったほうがいいかもしれない。

兄貴分アコードと、どっちが買い!?

ホンダセダンの「最新版」という点でインサイトがおすすめ

 同じ4ドアセダンだがコンサバなアコードに対してインサイトはスタイリッシュ。インサイトのボディサイズはかつてのアコード並みなので居住性も問題なし。パワートレーンは同じスポーツハイブリッドi-MMDながら、アコードは2.0L、インサイトは1.5Lを搭載。この差が走りにどう影響するかは気になる所だが、現時点ではインサイトをお勧めしたい。なぜなら北米向けアコードは10代目に世代交代済みで、日本向けは9代目が継続販売中、つまりモデル末期なのだ。

インサイトおすすめグレード【EX ブラックスタイル】

上級モデルらしくブラッククロームグリルや本革×ウルトラスエードのコンビシートを採用する最上級のEX ブラックスタイルがおすすめ。装備内容と価格差を考えるとEXよりお買い得かも!?

■主要諸元(EX ブラックスタイル)
●全長×全幅×全高:4675×1820×1410mm
●ホイールベース:2700mm
●車両重量:1390kg
●パワートレーン:1496cc 直4DOHC(109PS/13.7kg・m)+モーター(96kW/267N・m)
●JC08モード燃費:31.4km/L
●サスペンション前/後:マクファーソン式/マルチリンク式
●ブレーキ前/後:ベンチレーテッドディスク/ディスク
●タイヤサイズ:215/50R17215/50R17

提供元:月刊自家用車

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グーネットマガジン編集部

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